横浜市緑区の植木屋 中嶋です。
今回はボックスウッドにつく害虫ツゲノメイガの話です。
目次
ボックスウッドってどんな植物?
ツゲノメイガってどんな害虫?
対処方法
1 ボックスウッドってどんな植物?
ツゲの仲間で本来の名前はセイヨウツゲといいます。
名前の通り、洋風のお庭の生垣として使われることが多く、和風の庭で使われるイヌツゲと比べると葉が大きく、色が黄緑です。
花は3月~5月にかけて小さな白い花が咲き、秋になると葉が紅葉します。
枝は硬いですが、あまり伸びずに葉が長く伸びるので、刈り込みがしやすく、箱型に切られることが多いです。
2 ツゲノメイガってどんな害虫?
これがツゲノメイガの幼虫です。(被害は幼虫のみ)
体長は約3.5cmで、毒など危険はありません。幼虫は自分のまわりに糸を吐き、若葉を好んで食べます。
葉の食べ方は独特で、透かしたような食べ方をします。これが植木の見栄えをとても悪くします。
ツゲノメイガの成虫は蛾で、多くの場合卵を自分が育った場所に産み付けます。
そのために一度、被害にあった植木はツゲノメイガを退治しないかぎり、悲劇がが繰り返されることになります。酷いと枯れることもありますので、早めの対応が望まれます。
3 対処方法
写真のように葉が茂っている部分をかき分けて、幼虫を探し出して捕殺する。
これがお金をかけずに成果を出す方法です。
因みに真ん中の細長い黄緑が幼虫ですので、見逃さない注意力、ゴム手袋をつけて確実につかむ勇気が必要です。自分の周りに糸を吐くので、それを目印にして、もしくは透かしたように食べられている葉の近くを探すといいでしょう。
ここまで読んで、ちょっと触るの嫌だなと思った方も多いと思いますので、次に薬剤散布の紹介です。
ここではオルトランの粒剤と水和剤、STゼンターリ顆粒水和剤をおススメします。
まずオルトラン粒剤ですが植物全体を害虫から守る予防効果におススメです。
根元に粒剤をまくことにより、根から殺虫成分を吸収し、1か月ほど効果を出し続けてくれます。そのため即効性がなく、成分が植物にまわるまで時間が少しかかりますが、葉の裏、地中など、直接殺虫剤がかかりにくい場所にいる害虫も効果的に退治をします。ただ、木の高さが1m以下でないと効果が期待できないそうなので、そこは注意です。
次にオルトランの水和剤です。噴霧器が必要ですが植木の高さが1m以上だったり、毛虫をすでに発見し即効で手を打ちたいときにはコレです。この商品は小分けされており、
1Lで1袋と使いやすく、管理が楽なのもおススメです。粒剤と同じく成分が植物に吸収されますので、予防としても使えます。
STゼンターリ顆粒水和剤は上記のオルトラン水和剤と基本的に変わりませんが
毛虫や青虫に特化した薬剤です。
殺虫効果に即効性がありませんが、食害はすぐに収まるので、被害防止に役立ちます。天然成分で環境にも優しいのも嬉しい使用です。
全部で3つの薬剤を説明してきましたが、
使い方は予防としてオルトラン粒剤を株元に3月からまき、
オルトラン水和剤とSTゼンターリ顆粒水和剤を隔週で使い分け散布する方法です。
もちろん、よく植木を観察し、被害が出ていないときに散布する薬剤はいりませんが、
3月下旬、5月、7月には散布をおススメします。
今回はボックスウッドにつくツゲノメイガについて書いていきましたが
春は多くの害虫が目覚める時期にもなりますので、色々な植物も被害にあいます。
まずは大切な植物をよく観察して、被害を最小限にしてあげることが重要です。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
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