横浜市緑区の植木屋 中嶋です。
バラも少しですが具体的な薬剤名を出して触れましたが
そこで誤解を受けた方もいらっしゃたので、今回はバラの消毒について、
もう少し詳しく書いていきたいと思います。
おススメの薬剤をずっと使えばいいの?
これは以前の記事を見たお客様に言われてしまった言葉なのですが
それは誤解です。以前に書いた例(サルバトーレME、オルトラン、ダイン)は
あくまでパターンの一つとしてお考えください。
同じ薬剤を使い続けますとウィルスも害虫も耐性が出来てしまうので
理想的には殺菌、殺虫剤は週ごとに薬剤の種類を変えていきたいです。
(植木の中で、ここまで種類多くの消毒をするのはバラだけです。)
他にも画像の薬剤などを
殺菌殺虫剤として使って消毒をしています。
トップジンM水和剤は
幅広く使える殺菌剤で夏場の炎天下でも薬害を起こしにくい優れものです。
ベニカRはバラの天敵となる害虫ほぼすべてをターゲットとしていて、ほかの薬剤では効きにくい黄金虫やチョッキリなど防御力が高い虫にも効きます。
ここまで読んできて、え?そんなに必要なのか?
面倒だな・・・。
そう思われた方は前回おすすめした白いバラの苗のような初心者向けの苗だと
育てる環境にもよりますが消毒がいらないかもしれません。
または消毒の頻度が隔週で行えば、大丈夫かと思います。
年間での消毒管理の必要性
先ほど週ごとに薬剤を変更する話をしましたが、
バラのように多くの薬剤を使う場合は年間で消毒計画を立てた方がいいです。
これは去年、私が隔週の仕事で実際に行っていた四季咲きバラの年間消毒計画です。
ご家庭でやる場合、そのお庭や育てている品種でも話は違うと思うので参考程度にみてください。
1月 ハダニの越冬の阻止→ハッパ乳剤
2月 カイガラムシ対策→マシン油
3月 アブラムシ、うどん粉、黒星病→殺菌虫剤(状況によってセレクト)
4月 アブラムシ、うどん粉、黒星病、ゾウムシ →殺菌虫剤(3月のとは別の薬剤)
5月 開花のために散布禁止(花の色が変色するため)
6月 先月+ボトチリス、ハダニ、カミキリムシ→殺菌虫剤+株元に殺菌剤
7月 バラの状況によってハダニ対策 →殺菌虫剤+殺ダニ剤
8月 先月+黄金虫、アザミウマ、ヨトウ虫→殺菌虫剤+株元に粒剤
9月 先月+黄金虫、アザミウマ、ヨトウ虫→殺菌虫剤+株元に粒剤
10月 先月+黄金虫、アザミウマ、ヨトウ虫→殺菌虫剤+株元に粒剤
11月 アブラムシ、うどん粉、黒星病→殺菌虫剤
12月 状況によって 未定
こんな感じで立てていました。
それでは何故このような面倒な計画を立てる必要があるのでしょうか?
それは、事前に計画をたてれば、自然とそのバラについて調べて、どんな病気や害虫のリスクがあるのかわかり、必要な薬剤が見えてくるからです。
何も計画を立てずに、だいたいで薬剤を購入し散布するのは大変危険です。
計画をたてれば、気をつけなくてはいけない他の問題も解決します。
薬剤の使用回数→ほとんどの薬剤は袋やパッケージに年間での使用回数が書かれています。それを超えた使用回数にならないために、事前に計画をたてれば、年間でどこまで使えるのかがわかります。
季節によって薬害を起こす可能性→使用する薬剤の説明書をよく読みましょう。散布時期や適正な気温などが書いてあります。それを間違えるとバラを枯らす原因にもなります。これも事前に計画をたてれば使う時期がはっきりします。
混ぜて使うときの相性→手間を省きたいので、複数の薬剤をまぜて使いたい方も多いと思います。たまに配合するとダメなものもあるので注意してください。それも事前に配合を調べておけば薬害の心配もありません。
もしわからなければ薬剤を売っている所のお客様サポートに電話して聞けば確実です。(中嶋はそうしています。)
バラの消毒についてのまとめ
そのバラについて勉強しましょう。
そして、そこから年間計画をたてて
必要な薬剤を準備しましょう。大事なのは事前の準備です。
バラの消毒は手間がかかりますが、その対価としてかけた分、美しい花を咲かせます。
是非、計画を立てて実行をしてみてください。
今回の記事は以上です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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